今更ウマ娘映画化を知ったので2001年クラシック世代を語る~その①~ 2歳時

タイトルの通りなんですが、先日某烏と猫が戦うアニメ映画(?)を見に行った際、今更ながらやること知りました。


舞台は2001年クラシック世代!!


この世代、メチャメチャ面白かったんです!


ただ、


主人公ジャングルポケット →わかる。


アグネスタキオン →わかる。


マンハッタンカフェ →???


確かに、全てレースの結果を知っている上で構成を考えるならこの並びはわからなくはないんですけど、当時の肌感としてはここにマンハッタンカフェを入れられるのは違和感しかないわけです。

一応タキオンとマンカフェはレースで接点ありましたが、マンカフェ本格化前なのでちょっとな~な感じ。
(ただ、こういうエピソードが後で生かしやすいってのはわかります)

なら、ここに誰が入るべきか…?

ということで、数回にわたりこの世代の話をしようと思います。
もともとこの世代のあるタイミングのことを書こうと思っていたで丁度いいです(笑)


今回は2歳時(当時の馬齢表記では3歳でした)。


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牡馬クラシック戦線ですが、この世代で初めに名乗りを挙げたのはジャングルポケットでしょう。

と言っても、ジャングルポケットは2戦だけして休養。
実質、ジャングルポケットがクラシック候補ということで格を上げたのは、ジャングルポケットが負かした馬達でした。

札幌2歳S(当時3歳S)で負かしたテイエムオーシャンは後に阪神ジュベナイルフィリーズ(当時阪神3歳牝馬S)を横綱相撲で勝利。
牝馬クラシックの中心となりました。

また、新馬戦で負かしたダイイチダンヒルは後も安定した成績を示し、後の戦績も含めてこの世代のクラシック戦線屈指の「物差し馬※」になりました。

※物差し馬:AとBは直接対決したことないけど、Aはこの馬に1馬身差で勝利、Bはこの馬に2馬身差で勝利してるからBの方が強いだろう…だったり、単にこの馬に勝ったから地力ありそうとか強さの指標にされる馬のこと。

そして、ジャングルポケット新馬戦と札幌2歳Sどちらも2着だったタガノテイオーは、後にクラシック登竜門である東スポ杯2歳S(当時3歳S)を勝利。
当時はジャングルポケットが休んでたこともあり、ジャングルポケット以上にクラシック有力候補となっていた気がしました。
しかし、一番人気で迎えた朝日杯フューチュリティステークス(当時朝日杯3歳S)にて、最後のゴール直前に骨折。
2着入選しましたが、そのまま予後不良となってしまいました。
(ジャンポケの回想でタガノテイオーのエピソード、入れてほしいねぇ…)

このタガノテイオーを破ったメジロベイリーも実はジャングルポケット新馬戦に出走しており、クラシック候補の一頭に数えられていたでしょう。

あと、京都2歳Sを勝って3連勝していたシャワーパーティーでしょうか?
個人的にはいちょうS勝って3連勝のトラストファイヤーとかも期待していました(笑)


さて、これらの候補とは別に、この世代はこれまでと異なる「新たな風」が吹き荒れようとしていたのです。

今では当たり前となっている外国産馬のクラシック出走。
かつて「スーパーカー」と言われた名馬マルゼンスキー鞍上の中野騎手による

「大外枠でいい、賞金もいらない、だからダービーに出走させてほしい」

という名言にもある通り、昔は内国産馬外国産馬との間に厳しい線引きがされており、外国産馬にクラシックへの出走は許されていませんでした。

それが、2頭だけという厳しい条件ですが牡馬クラシック戦線、ダービーと菊花賞外国産馬の出走枠が開放されることになったのがこの世代です。
それに合わせてか、当時こんな言葉が騒がれていました。

「開放元年、黒船襲来!!」

これは、クラシック開放元年に「クロフネ」という奇を衒いまくったネーミングの馬がクラシック戦線に襲来するということを指したものでした(本当にオーナーがその意味でつけたというのは大分先になって知りました)。

そんなクロフネ、初戦こそエイシンスペンサーに敗れましたが、 2戦目は1倍台の人気に応えて危なげなく勝利。

そして続くエリカ賞
物差し馬のダイイチダンヒルも出走していました。
新馬戦でダイイチダンヒルのクビ差と3/4馬身前にいたジャングルポケット
しかし、エリカ賞ではダイイチダンヒルの3馬身半先にクロフネはいました。

しかもこの2戦がどちらもなんと当時の2歳レコード勝ち。
その堂々としたレースっぷりから、この2戦でクロフネは一躍クラシック有力候補になったのです。

そんなクラシック候補2頭が激突するのは年末。
ラジオたんぱ杯3歳S(現在のホープフルS、当時は阪神開催)。

戦前のムードはジャンポケが休養明けということもあり、クロフネが来年のクラシックの主役としてどんなレースをするか?他馬はどれだけついていくか?というのが焦点になっていたように思えます。

勿体ぶらずにレース結果から言いますと、


そんなクロフネの1馬身1/4先にジャングルポケットがいて、


その2馬身半先に勝ち馬がいました。


確かに完璧なレースではなかったとはいえ、決してクロフネが走らなすぎたわけじゃないです。
前走で自身が記録したレコードに0.2秒差で迫るタイムでしたし、4着馬との着差は5馬身も離れていたわけですから。

ジャングルポケットクロフネの前走のレコードタイムで走破していました。
しかし、勝ち馬はそのはるか前にいたのです。


この日、クラシックの勢力図が一変しました。


クラシック有力候補だった2頭は、
新馬戦を勝ったばかりで2戦目だった馬に子供扱いされたように敗れ、

その勝ち馬はただのクラシック最有力候補にとどまらず、三冠を強く期待されるほどになりました。


レース前、ダービー馬である「アグネスフライトの弟」として知られていたその馬は、


アグネスタキオン


として世に広まりはじめたのです。

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つづきます。